へバーデン結節とブシャ-ル結節
遠位指節間関節(DIPjoint)に生ずる変形性関節症をへバーデン結節と呼び、近位指節間関節
(PIPjount)に生ずる変形性関節症をブシャ-ル結節と呼ぶ。基本的には加齢に伴う
退行変性であるが、遺伝性の証明される例もある。
疫学:
40歳以上の女性に多く、性差は1:10程度といわれている。へバーデン結節のほうがありふれている。
ブシャ-ル結節はへバーデン結節のある20%に合併するといわれている。
症状:
両手の複数のDIP関節やPIP関節部に軽度の疼痛、こわばり感とともに徐々に出現する。
最初は軽度の熱感と発赤を伴うことが多い。関節裂隙の狭少化と両側方への骨棘の形成によって
関節部は節くれ立ってくる。ときに側方に脱臼して指が曲がることがあるほか、軽度屈曲位で硬縮を
起こすこともまれではない。運動は軽度障害される。
診断:
X線撮影では他の変形性関節症と同じく、関節裂隙の狭小化、骨の萎縮と硬化像、骨棘の形成を
認める。
治療:
保存的療法が中心で観血的治療は通常しない。
自覚症状が軽ければ保存療法だけで様子を見る。治療内容はほかの変形性関節症とほぼ同じ。
予後:
まず、変形が治ることはないが、一定のところで進行は止まり、疼痛も軽減ないし消失してくる。
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