皮膚系疾患(アトピー性皮膚炎)

大分空いてしまいました。申し訳ございません。

症例報告を見てくださる方が多く、中でも皮膚系疾患を載せてくださいとのお声が

非常に多かったので、今回は皮膚系疾患の総論とアトピーを中心に今までの症例報告をしたいと思います。

皮膚系疾患は判りやすく言えば‘肌荒れ‘です。

様々な要因があります。清潔な状態を保てない、油性、先天的な原因、アレルギー反応、ダニ、カビ等々

あげればキリがありません。

現場では男性が多いと思います。女性は肌に対して男性よりも気を使うからです。裏をかえせば男性の

皮膚の疾患は日常生活の改善である程度は改善します。

それでは今から鍼治療での症例を書いていきます。

 

男性30代後半 先天的に全身が強度の肌荒れ状態(ニキビに近いものが全身に有る)

肩の辛さから鍼治療を行う。身体のバランスを整える為に肩を中心に上半身全体に鍼治療を行う。

特に肌荒れの鍼治療は行わない。

数回の鍼治療後明らかに肌荒れが良くなる。折角なので下半身にも鍼治療を行う。

更に数回後細かい部分で完治とは言えないが9割以上肌荒れが良くなる。

顔の肌荒れを取る為に今後顔の美容鍼灸を行なうか相談中。

 

上記のケースの患者さんは皮膚系疾患として最多です。極度の肌荒れ。

ですが注目して欲しいのは皮膚系疾患の治療を行わなくても良くなることが多い事です。

西洋医学の鍼治療で肩こりや腰痛を治している最中にある程度良くなることが殆どです。

それでも治らない場合は東洋医学の皮膚系疾患に特化した治療を行います。

 

女性30代 極度の指荒れ、あかぎれ

両手の指が極度の荒れ、あかぎれ。冬に限らず1年を通し状態が悪い。物心がついた時から

日常生活に支障をきたすほどの痛みあり。手の保湿、ケアは女性の為、完全に行なっている。

日常生活の改善を行なうところは最早なし、皮膚科への通院も効果なし、薬剤を何度も試みるが

改善なし。子供がいるため水周りの仕事を減らすことは出来ない。激痛のため手袋を外せない状態。

 

上記のケースは非常に難しいケースでした。何をやっても効かない状態だと本人が思ってしまっていることも

治療の妨げになります。1回で治る状態では無く、効果も期待されていないので早い段階で効果を実感して

頂くことも考えなければいけません。難しいのは根治を目指すのであれば早ければいいとは限らない為です。

時間をかけることも時には重要なファクターとなることがあるのです。戻ります。

 

手の平、指先の鍼治療は痛みを伴うことが非常に多く、鍼の耐性を観察するために1度目は肘から

手首の間の治療を行う(手の先に直接行なうより確実に効果は落ちるが痛みで治療を継続出来ないことも

考え1度は様子見)。

2回目、症状が重く、1度目の治療では効果が実感できない為、2度目の治療から手の先の治療に切り替える

(遠位治療から治せる土台を作るほうが勿論根治はしやすいのだがそこまで時間が無いと判断)。

手の先に直接鍼を打つ治療に切り替える。

3回目、明らかな症状軽減、信用と時間を与えられる。ここまでくれば症状の改善は回数の問題となると判断。

4、5、6回と治療を継続中

 

症状の改善と心のケア、両方が揃って初めて治療となります。今まで何をやっても効果が無かった場合に鍼治療を

選ぶ人が多いのも事実です。効果と期間、回数の兼ね合いが一番難しい問題で、そこが経験値の差なのだと思います。

 

アトピー性皮膚炎の概要から治療方法まで、そして経験談をお話致します。

特に乳幼児に多く歳を重ねる事に少なくなる傾向があり、先天的な要因、環境、食べ物、アレルギーが

考えられる原因です。戦前と戦後を比べるだけでも違いがあります。データの集計方法も勿論異なると思いますが、

食べ物に原因があるのは容易に想像が出来ます。生活スタイル、食事の欧米化、栄養の偏り等

裕福になるが故の弊害と考えてもいいと思います。新生児の出生率、平均年齢の増加、

色々な角度から見ると医学の進歩は何も幸福だけをもたらすとは限らないと思います。あくまでも個人的な意見です。

アレルギーから考えられるアトピーはダニ、カビ、埃が原因と考えられます。最近ではピティロスポルム(マラセチア)に

陽性反応を示す方が増えてきています。ですが完全に原因を特定することは今の医学では不可能です。

男子に多い事がデータ上は確認できますが、ホルモンの影響なのか、遺伝子の原因なのかは推測の段階を出ません。

世に出ている疾患の中でもまだまだ原因が特定できないものは山ほどあります。

そしてここが鍼治療最大の魅力だと思うのですが、身体の流れや状態を把握し、

原因が西洋医学では分からないものにも一定の効果を出すことができます。

統計学、仮説、挑戦と西洋学に比べて自由度が高く、一人一人の患者様に向かえる時間が圧倒的に多いです。

副作用が無い為あえて挑戦と書かせていただきました。個人各人必ず同じ状態の人はいないので毎回微妙に

ですが治療法が変わります。経験値によって効果が高く出るところは押さえておき、

残りの治療法は毎回違うのが鍼灸の現場の実状です。逆にアトピー性皮膚炎の

治療も含め、疾患ごとに毎回同じ治療をする人が居るとすればそれでは絶対に治りません。

少し話が脱線しましたが、アトピーは日常生活の改善や使っている薬剤、シャンプー、ボディソープ、

細かいところまで原因を探ります。そして考えられる状況を精査し、そこで初めて鍼治療を行います。

結果から言えば改善しなかった例はありません。必ず改善していきます。

特攻穴(特定疾患に対して効果が高いツボ)が使いづらい疾患ですが

全体的な捉え方をすれば間違いなく治療効果を出せる疾患です。

皮膚炎でお悩みの方、アトピーでお悩みの方、是非一度でいいのでご相談下さいませ。

 

 

 

 

 

 

 


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